連絡ツール
昔、彼とつきあっていた頃は、携帯電話もメールもなかった。
連絡ツールは家電と手紙。
お互い自宅で両親と同居。彼はよく、公衆電話からかけてくれた。10円玉をいっぱい握りしめて。私は、両親のいるリビングで電話を受けていたので、甘い言葉など言えるはずもなく、事務連絡風に。電話できたのは、親の手前、せいぜい週1回だったかな。それが普通だと思っていたから、連絡がないことにいちいち落ち込んだりしなかった。
手紙も交換した。募る想いを恋文にしたためて。なんと、彼は、今でもその手紙を捨てずに持っていてくれている。
二十数年前のラブレター。
見たいような見たくないような。
当時の二人の写真も保管してくれていて、それは共有してくれた。若い二人が笑顔で写っていて、青春そのもの。思い出が鮮やかによみがえる。四半世紀も経つのに。
今は、24時間、手軽に連絡がとれる便利な時代。
それがいいのか悪いのか。
連絡の頻度で愛情をはかるのは止めようと自分に言い聞かせる連休初日の夜。彼を想いながら、今日もブログを書いた。彼は知らないけれど。