会わない選択
義父の容態が悪く、この冬を越すのは厳しい。
こんな関係でも最低限の節操を持つ。この道に足を踏み入れたときに決めたこと。
しばらく離れること。彼も同意見。逆の立場でもそうすると。
この関係の非常識さを突き付けられ、自分の中に良心が残っていたことに安堵した。
今、妙に清々しい。
重圧から解き放たれた。
別れたわけではない。
また必ず会おうと約束して別れた。
再会のとき、私はどんな気持ちになるだろう。
彼のことは変わらず好きだけど、恋愛関係を続けるエネルギーが私に残っているだろうか。新たな関係を模索してみたい。