1月下旬には「一緒にご飯」が実現した。
彼は、ちょっと遅れて待ち合わせの店にやって来た。
「久しぶり。」
自然に挨拶を交わしたら、一瞬で昔に戻ったような感覚だった。四半世紀のブランクはすぐに埋まった。学生時代にタイムスリップしたよう。気心が知れた彼の前では、何も飾らず素の自分が出せた。周りに気を使い、神経をすり減らしながらの社会生活で、こんなにリラックスしたのはいつぶりだろう?楽しくて居心地のよい時間はあっという間に過ぎた。
彼が、本当に好きだったんだよと言った。
私もだよ、と答えて、なんだか切なくなった。ただただ懐かしかった。
1個上の彼。同じサークルで、大学時代を丸3年一緒に過ごした。楽しい青春時代をありがとう。感謝の気持ちでいっぱいだった。
またねと言って明るく別れた。また、こんな風に会えたらいいなと思った。だから、また会いませんかと言われたときは嬉しかった。でも、ちょっと心配だった。どうにかならないようにしないと。ラインIDを交換しても、日程調整以外の連絡はあえてしなかった。あくまでも、昔の恋人と青春を懐かしむだけ。自分に言い訳していた。