再会して一年が経った。

一年前は、彼なしでも、普通に生活していたことが、もはや考えられない。それほど、私という人間の真ん中に、でーんと彼が居座っている。

感動したとき、美味しいものを食べたとき、小さな発見、喜び、しんどいとき、彼を想い、彼に伝えたくて、彼なら何て言うか考えてみる。彼が今、何を感じどう過ごしてるか知りたくて想像を巡らす。彼との実際のやり取りはそんなに多くはないけど、心の中の彼といつも会話している。

私の中の彼のスペースは、もともとは空洞だった。

もし、彼を失ったら、また心に穴があく。その空虚な穴を、どうやって埋めたらいいんだろう。

世間は、人の道に外れた私を非難するだろう。自分さえ良ければいいのかと。だからこそ、ゴールはないのだ。周りを傷つけて自分だけ幸せになる道は、私にはない。

いつか来る終わりを覚悟するということは、自分に向き合うということなんだ。

昨日、繋いだ手を彼のコートのポケットに入れて歩いた。寒い冬の日にもこんな暖かい幸せを感じてほっこりする。こんなささいな幸せが一日でも長く続いてほしいと祈りながら、彼との2年目を歩き出す。